台風直撃の予報もあり、Marketoクリニックの開催も危ぶまれたのですが、何事もなく無事開催することができました。第10回目という節目である、この記念すべきMarketoクリニックは、株式会社ビズリーチ社の冨里さんにご講演いただきました。

 

ビズリーチ社は、インターネットを活用したサービス事業を展開しております。Marketoは、BtoB向けの「ダイレクト・リークルーティング」サービスであるBIZREACHでご利用頂いております。BIZREACHは、プラットフォームを提供するサービスで、約69万人もの人材が登録されており、採用企業は、なんと5200社。主に社内にリクルーターがいる企業にご利用頂いており、特に、グローバル企業が積極的に利用しているそうです。最近では、IT企業から、徐々に大手の日本企業にも浸透しているそうです。

 

冨里さんは、広告代理店のインフラエンジニア、セールスエンジニアを経てビズリーチ社に転職されました。広告代理店では、20個以上ものアドテクの販売・導入・サポート・開発に携わったという経歴を持っており、まさに、次世代のマーケターと言っても過言ではありません。

 

Marketoについて、「Marketo = 背骨」であると比喩的に話していたのが印象的でした。というのも、活動を一本の軸と捉え、組織/目標を1つに、そして、ユーザー行動データを中心にMarketoを活用しているからこそ、Marketoを背骨と感じているんだと思います。しかし、Marketoの運用が軌道に乗るまでには、相当な苦労があったようです。

 

フェーズ①の試行錯誤期では、マーケティング部門にて集客のためにMarketoを活用していました。Salesforceとの連携も容易だったことにも起因し、僅か2ヶ月で立ち上げシナリオベースのメールを開始しました。ところが、営業とのコンタクトポイントが不明瞭で、また、マーケティングのKPIも「リード数」ということもあり、明確な効果が得られずにいました。また、Marketoを一括メール送信機能としてのみ利用している状態で、システムの知見が乏しいこともあって、設定の改善に時間がかかったようです。

 

Marketoを導入してちょうど1年が経過しようとする頃がフェーズ②の変革期であり、このフェーズ②が、飛躍の「鍵」となったようです。

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先ず、組織体制を変更しました。インサイドセールスを立ち上げ、Marketoの利用範囲をマーケティング部門だけではなく、インサイドセールまで広げたそうです。さらに、KPIを見直し、BtoBマーケティングの目標数値を「リードからの発生売上」に変更したそうです。営業と同じ目標に設定したことで一体感が生まれたことが勝因だったかもしれませんね。

 

インサイドセールス導入による運用体制の副次的な効果にも触れ、インサイドセールスが本格稼動したことにより、現在は、新卒の修行の場となっているようです。ちなみに、インサイドセールスとBtoBマーケティングチームは、朝会も実施しているようで、インサイドセールスに一番うけたのが「Sales Insight」だそうです。Salesforceを導入しているお客さまで、まだ、「Sales Insight」をお使いでないお客さまは、営業とのコミュニケーションギャップを「Sales Insight」で埋めてみては如何でしょうか?

 

この変革期の取り組みで最も興味深かったのが、部長と共に他社の事例をヒアリングされていることでした。以前から気になっていたことなのですが、Marketoのお客様同士が自発的に情報交換していることを良く耳にします。このようなシーンを今まで見たことがなく、ホスピタリティーが高いマーケッターならではの「業(わざ)」であると関心しています。

 

その他にもステージ、スコア、シナリオの全設定を見直しするとともに、週次で定期メールの改善を施し、さらに、クリック率向上に向け議論をしているそうです。PDCAを高速で廻すことができるのがMarketoの特長でもあり、このような改善の議論が本来あるべき姿なのでしょうね。

 

この変革期における、もうひとつの「鍵」が、マルケトのコンサルティングを再度、導入したことかもしれません。これまでのスコアおよびステージをすべてクリアにし、1から設定をやり直したことで、さらに、Marketoの理解が深まったと、当時を振り返っていました。更なる飛躍のために、定点でのコンサルティングの活用は有効かもしれません。

 

現在進行形であるフェーズ③の上昇期についてですが、Marketoの利用範囲がさらに拡大し、マーケティング部門とインサイドセールスのみならず、成約後のポストセールスでも利用しています。

 

このフェーズ③では、現在、マルケト有志によるマルケト部が自然と発足し、改善対応を実施しているそうです。また、Marketo Salesforce連携も改善し、さらに、LPテンプレート、メールテンプレートの改善を進めており、成約後の支援としてCRMメールもMarketoに移行し、Marketoの活用がさらに進んでいます。その他にも他社ツールとの連携(KARTE)も視野に入れ検討されているとのことです。

 

Marketoの効果についても触れ、この半期で、SQL(Sales Qualified Lead)が、900件から4,900件に増えたそうです。なんと5倍以上も増加しているんですね!さらに、さらに、インバウンドによるアポ取得率も17%から29%とこちらも劇的に改善されています!本当に素晴らしい成果だと思います。

 

Marketoの導入後、1年間もがき、紆余曲折を経て、この成功に至るまでの過程には、さまざまな苦労と試練があったと推察いたします。最後に、Marketoを最大限に活用するための秘訣を4つの観点で取り纏めて頂きました。

 

体制: エグゼクティブスポンサーを味方につける

先ずは勝手にやって小さな成功を作ることに

 

連携: マーケティングと営業の連携が肝

組織を変更することが難しければ、せめてKPIを紐づける

 

主導: 現場メンバーの強い意志

プロジェクトの先にある未来を信じる

 

技術: システムの理解

営業経験がある方とエンジニアのタッグ

 

今後の展開について尋ねたところ、会員側(BtoC)に、Marketoの活用領域を拡大したいと抱負を語っていました。その活用イメージとして、ビズリーチプロダクトにMarketoを導入し、登録から転職成功までをナーチャリングし、ユーザーの行動に併せて、次のステージへの遷移を促すことを試みています。今後のMarketoの利用範囲拡大により、更なる飛躍を期待しています。